2009/07/18

上り下りある人生

昨夜家に帰ろうとしたときのことだが、近所に坂道があって、そこを僕は歩いていた。その道は下ったと思ったらまたすぐ上がるV字型の道なのだが、僕は底のところでいつも道を左に折れてしまうので、その先の坂を上がったことはほとんどない。今夜は涼しいナァ、なんて思っていると、後ろからカップルが自転車に乗って僕を過ぎ去って行った。

いかにも青春群像劇にありがちな、男性が自転車をこぎ、女性は後ろから腕をまわして抱きつく、ちょっと見ているとこちらが小恥ずかしくなるタイプのお二人だったが、まぁ当人たちは幸せなのだから良いのだろう、むしろこちらも見ていると微笑ましい気分にもなる、なんて思っていると、その二人を乗せた自転車は谷底まで勢いよく落ちていき、再び坂を上りはじめた。

物理の法則的には、同じくらいの高さならばペダルをこがなくても坂を登りきれるはずだが、摩擦のせいで公式通りに行かないだとか、思ったより向こうの坂の方が高低差があったとか、理由は良く分からないが、とにかく男性はペダルをこぎ始めた。しかし傾斜はかなりきつく、人一人余分に乗せた自転車を坂の上まで運ぶには少々脚力不足のようで、次第に自転車は坂の上を向かずに左へよろよろと傾き出した。

これは無理だと悟ったのだろう、女性が自転車からするりと降りた。それを見て男性も自転車から降りて、結局二人は並んで楽しげに坂を上って行った。なんとなく、二人の間柄が垣間見えた気がした、そんな坂道の夜だった。

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