2011/07/21

卓球外交

調査最終日の前夜、仕事もほぼ片付いてホテルを散歩してたら、いかにもヤンキーな感じの現地人とアシスタントの女の子が卓球をしているのを見つけた。その現地人、体格はかなり良く、煙草をくゆらせながらビリヤードでもしているような風体だった。しかし試合を見ていると、卓球スキルが素人レベルとしては高く、ぺったんこのラケットでドライブをかけたりして卓球超初心者のアシスタントを軽くあしらっていた。

しばらくその様子を眺めていると、アシスタントに「変わろうか?」と言われたので、これは、と思い闘志を燃やして臨んだのだが、どうもうまくいかない。「ずっとペンでやってたので、シェイクは無理」とふと思ったが、「そんな言い訳をしては男が廃る、とにもかくにもこのヤンキーぽい兄ちゃんを倒さなければならない!」と意味の分らない対抗心を燃やしていた。が、やはり相手の方が一枚上手で、明らかにそいつは「このヘナヘナ野郎が」と言わんばかりにニヤニヤしていた。


一時卓球を定期的にしていたこともあって、素人レベルとしてはそれなりに自信もあったので、「これはマズイ、ここで負けてはアシスタントにナメられ、明日の最後の仕事もうまくいかない」とこれまた意味の分らない自尊心を利用して一段と身を引き締めたところ、試合が白熱するようになった。長いラリーの末押し切ったり押し切られたりという展開で、相手の顔も険しくなり、ポイントが入るたびにどちらかが声とはいえない声をあげる、そんな様子になってきた。ヘナヘナ野郎をなめてもらっては困る。

それが10,20分続き互いに汗をぬっとりかいてきた所で、どこか遠くに行っていたアシスタントが戻ってきた。曰く、もう寝る、と。どうやら男二人が卓球に熱中しているので、呆れてどこかに行っていたようだが、そのこと自体にも気がつかなかったのだから呆れられるのも無理はない。もう少し続けようかなぁとも思ったが、互いにそこそこ疲れていたせいかそれでお開きという事になった。そして、ごくごく自然に、笑顔で握手をして別れた。実は最初は「ヤンキーぽくてちょっと怖いな」と思っていたが、そういう印象はどこかに消えていた。


たかだか20分程度のことだったが、なぜだかとても印象的な出来事だった。

0 件のコメント:

コメントを投稿